エレベーターがないマンションは売れない?4つの対策とは?【3階以上の方必見】

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エレベーターがないマンションを売却中だけど、何ヶ月も売れなくて困っている・・・

エレベーターがないと、重い荷物を運んだり、ちょっとした忘れ物を取りに行ったりするだけでも一苦労。

そのため、エレベーターがないマンションは、生活に「不便さ」を感じる人が多く、スムーズに売れないケースが多いです。

 

このような話をすると「エレベーターがないマンションでもちゃんと売れるのかな?」と心配になりますよね。

 

しかし、元不動産営業マンの立場からお伝えすると、売却に苦労しているエレベーターがないマンションでも、上手く対策できれば売ることは可能です。

「不便さ」は人によって感じ方が異なり、エレベーターがなくても気にしないという人はいるからです。

 

もし売却が上手くいっていないのであれば、それは「依頼する不動産会社(担当者)を間違えて、うまく戦略を立てられていない」という可能性が高いです。

 

この記事では、元不動産営業としての経験から「エレベーターがないマンションが避けられる理由」と「売るための対策法」についてわかりやすく解説していきます。 

あなたのマンションを「高く」&「早く」売り切るために、この記事で基本的な知識を身につけてくださいね!

エレベーターがないマンションはなぜ売れない?(売れにくい?)

なぜ売れない

エレベーターがないマンションが売れにくい原因は、やはり「不便」だからです。

特に、3階より上の階数(4・5・6階)になるとかなり不便。

 

営業してきた経験から言うと、3階くらいの高さであれば、「階段を利用しよう」と考える人が多かったです。

そのため、エレベーターの有無が販売に影響することは少なかったです。

 

しかし、3階以上の高さになると、以下のような理由から購入へのハードルが一気に高くなります。

  • 毎日のことを考えるときつい
  • ケガしたときや老後を迎えると大変そう
  • 重い荷物や子供を抱えて昇るのは危険
  • 忘れ物をしたときに取りに帰るのが億劫

このように、エレベーターがないマンションの「上階」を売るのは容易ではありません。

 

ですから、納得できる売却を望むのならしっかりとした対策が必要です。

具体的な対策については、次章で詳しく解説していきます。

エレベーターがないマンションでも売却できる4つの対策

ここからは、エレベーターがないマンションをスムーズに売却するための4つの対策を紹介します。

  1. まずは「基本的な対策」を取る
  2. ターゲットを見極める
  3. メリットを伝える
  4. 上層階の魅力をアピール【4階以上の場合】

どの対策も大切なので、一つずつ詳しく解説していきます。

あなたのマンションはちゃんとクリアできているか、確認してみてください。

【対策1】まずは「基本的な対策」を取る

基本的な対策をとる

まずは、あなたのマンションが基本的な対策のもとに販売されているかチェックしてみましょう。

 

確かに「エレベーターが付いていないこと」が売れない原因の1つになっている可能性はあります。

しかし、マンションが売れないときは、複数の原因が絡んでいるケースが多いです。

 

そのため、「エレベーターがない」以外にも売れない理由がないか確認してみてください。

例を挙げると、

  • 不動産会社(担当者)が無能
  • 「老朽化」が進んでいる
  • ランニングコストが高い
  • 立地が悪い
  • 価格が適正じゃない
  • ライバル物件が多い
  • 部屋が汚い

などさまざまな問題が考えられます。

 

上記の中で、「売却を依頼する不動産会社や担当者の仕事ぶり」を見直すことは最も重要。

不動産を高く早期に売却できるかどうかは「不動産会社や担当者しだい」だからです。

 

とりわけ、「エレベーターがない」というような売却が難しい物件は、担当者の「営業トーク」や「クロージング力」で、成果が変わってきます。

 

経験があり、能力も高く、仕事のできる担当者であれば、すべて丸投げの状態でもちゃんと売ってくれます。

仮に売れない場合も、的確なアドバイスや問題解決の提案をしてくれ、最後までしっかり売り切ってくれるのです。

 

もし、あなたの今の担当者が信頼の置けない人なら、不動産会社を変えたらすぐに売れるかもしれません。

マンション売却の成否は「売却を依頼する不動産会社や担当者がすべて」といっても過言ではないのです。

 

以下の記事では、不動産会社が売れない理由になっていることの詳細や、その他の基本的な対策についてまとめているので、一度チェックしておくことをオススメします。

【対策2】ターゲットを見極める

ターゲット

エレベーターがないマンションを売るためには、ターゲットの見極めが大切です。

基本的には、階段の上り下りが苦にならない若い世代をターゲットにしましょう。

 

しかしながら、若ければ誰でも良いというわけでもないので、より具体的に解説していきます。

【狙いたいターゲット】

  1. 小学生以上の子供がいるファミリー
  2. シングル or DINCS
  3. 事務所使用で探している人

 

【1】小学生以上の子供がいるファミリー

ファミリー

一番ターゲットにしたいのは、「小学生以上の子供がいるファミリー」。

小学生以上の子供しかいないなら、ベビーカーの利用がほぼなく、階段生活に対する抵抗感が少ないからです。

 

基本的に、子育て世代にエレベーターがないマンションは敬遠されます。

その理由は、ベビーカーを持って階段を使うのが大変だからです。

「ベビーカー」と「体勢が安定しない子供」を抱えて、階段を上り下りするのは一苦労ですし、何より危険ですよね。

 

一方で、子どもが小学生にもなれば、ベビーカーはほぼ必要なくなります。

実際に、私がエレベーターのない物件を担当したとき、案内したお客様の多くは、「小学生以上の子供がいる家族」でした。

(※そのうち1組のお客様から申し込みまでいただきました)

 

子供が小学生であれば、両親も比較的若い世代が多いので、ターゲットには最適ですよ。

 

【2】シングル or DINCS

シングル(独身者)やDINCSの人たちもターゲットになります。

(※DINCS・・・共働きで意識的に子供を作らない、子供を持たない夫婦のこと)

子供がいなければ、階段生活に対してのハードルがそれほど高くないです。

 

大人だけであれば、無論ベビーカーは必要ありませんし、ケガをするリスクも子供に比べると低いです。

つまり、ファミリーよりも階段生活に対する懸念材料が少ないのです。

 

また、シングル(独身者)やDINCSの人の中には、室内で聞こえる子供の足音にすごく敏感な人たちがいます。

そのため、あなたのマンションが「最上階」であれば、そこを強くアピールしましょう。

音に敏感な人にとっては、エレベーターがないデメリットよりも、音を気にしなくていいメリットの方が魅力的に感じる場合があります。

 

子供がいないような世帯の人もターゲットにはオススメですよ。

 

【3】事務所使用で探している人

事務所利用

もし、マンションの管理規約で「事務所利用が可能」な場合は、法人や個人事業主もターゲットにできます。

 

分譲マンションで事務所利用できる物件は非常にまれです。

そのため、事務所として使えるマンションは、エレベーターの有無に関わらず、一定の需要が期待できます。

 

私がかつて取引していた不動産会社は、エレベーターがない築40年のマンションの4階にありました。

ちなみにその上の階には、リフォーム会社も入っていました。

 

特に、築年数が古いマンションだと

  • エレベーターがついていない
  • 専有部分の用途制限がゆるい

など、事務所利用にはもってこいのケースが多いです。

 

まずは、管理規約を確かめてみてください。

もし事務所利用ができれば、営業担当者に相談して、業者へのアプローチをお願いしてみるのも手です。

【対策3】メリットを伝える

メリット

エレベーターがないマンションにもメリットはちゃんとあります。

主には以下の3つです。

  1. 価格が安い
  2. 管理費・修繕積立金が安い
  3. エレベーターを待つ時間が存在しない

メリットの訴求は、販売する上で肝になるので、しっかりと確認してくださいね。

 

【1】価格が安い

価格

一番のメリットは「価格が安い」ことです。

 

エレベーターがついていないと、やはり資産価値は低いので、売却価格が相場よりも安くなります。

なので、買主にとっては「安く買える」というメリットにつながります。

 

私は以前、スキップフロアのマンション売却をお手伝いしたことがあります。

(※スキップフロア・・・エレベーターが「奇数階」や「偶数階」など特定の階数にしか停まらないマンション)

 

私が担当した部屋は、「エレベーターが停まらない階」でした。

当時、同じ建物の「エレベーターが停まる階」の部屋も販売されていましたが、私が担当していた部屋よりも250万円高かったです。

 

両物件とも、中住戸で広さもほぼ一緒。エレベーターが停止するかしないかの差でした。

同じ建物でも、エレベーターが停まるかどうかで、販売価格が100万円単位で変わってくるのです。

 

スーモの調査でも、「購入の決め手となった条件」のナンバーワンは「価格」という結果が出ています。

購入の決め手

引用元:SUUMO「実は街選びが重要。マンションを購入したママの決め手と妥協点とは」

価格が安いのは、買主にとって間違いなくメリットです。

そのため、あなたのマンションが相場よりも安く購入できることは、しっかりとアピールしたいところです。

 

【2】管理費・修繕積立金が安い

エレベーターがないマンションだと、管理費や修繕積立金が安いのもメリットになります。

 

管理費や修繕積立金の中には、エレベーターに関わる以下のような費用が含まれています。

  • 電気代や保守点検費
  • 耐用年数経過後に伴う入れ替えのコスト

特にエレベーターの入れ替えには「1,500万円前後」がかかるため、負担は大きいです。

 

一方で、そもそもエレベーターがなければ、関連費用を積み立てる必要がありません。

徴収されるお金が少ないと、月々のランニングコストは当然に軽くなるので、住む人にとってはメリットといえます。

 

買主さんの中には、「管理費」や「修繕積立金」のコストのことまで考えていない人がいます。

ですから、案内に同席する機会があれば、「月々の金銭的な負担が軽くていいですよ」と伝えてあげましょう。

 

【3】エレベーターを待つ時間が存在しない

待ち時間がない

「エレベーターを待つ時間がない」のは、意外にもメリットになります。

エレベーターを待つ時間は、知らないうちに人へ大きなストレスを与えているからです。

 

あなたも職場や買い物等でエレベーターを利用する際に、なかなか来なくてイライラした経験ありませんか?

急いでいるようなシチュエーションだと、不安や焦りが出てくるのでなおさらですよね。

さらに、来たとしても満員状態で乗れないとなると、気持ちもぐったりします。(マンションで満員は少ないと思いますが)

 

CITIZENの調査では、エレベーターを待つ人のなんと6割が「1分以上」でイライラすると答えています。

エレベーター待ち時間アンケート

引用元:CITIZEN「ビジネスパーソンの待ち時間意識調査」

エレベーターがないマンションだと、当たり前ですがエレベーターを待つ時間は存在しません。

そのため、毎日イライラせずに済みますし、なんだったら、足腰が丈夫になり健康になれるので一石二鳥です!

 

エレベーターの時間待ちがないのは、「健康志向の人」や「せっかちな人」にとっては大きなメリットだと言えます。

【対策4】上層階の魅力をアピール【4階以上の場合】

魅力

あなたのマンションが4階よりも上にある場合は、上層階ならではの魅力」をアピールしましょう。

 

エレベーターがないマンションは、建築基準法の規定上、「4~6階」くらいまでの高さがほとんどです。

ですから、4階以上の場合は上層階といえます。

 

上層階には、以下のような魅力があります。

  • 景色が良い
  • 風通しが良い
  • 日当たりが良い

さらに、あなたのマンションが、最上階であれば「上の階からの音がしない」もこれ以上ない魅力です。

「エレベーターがない」デメリットばかりに目が向きがちですが、どんなマンションにも良いところは必ずあるのです。

 

今回は上層階の魅力をお伝えしましたが、それ以外にも「住んでよかった点」などを話してあげるのも良い対策になりますよ。

【まとめ】エレベーターがないマンションでも正しく対策すれば売れる!

今回は、エレベーターがないマンションを売るための対策について紹介しました。

【エレベーターがないマンションを売るための4つの対策】

  1. まずは「基本的な対策」を取る
  2. ターゲットを見極める
  3. メリットを伝える
  4. 上層階の魅力をアピール【4階以上の場合】

 

エレベーターがないマンションは、生活に不便さを感じる人が多く、売りにくいことは確かです。

しかし、上記4つの対策を実施して問題点にしっかり対処できれば、エレベーターがなくても売却は十分に可能です。

 

そのためには、あなた自身の努力も必要ですが、それ以上に問題点を適正に把握し、改善に導いてくれる「不動産会社選び」の方が大事です。

 

特にエレベーターがないマンションは、売却のハードルが高いので、営業マンの力量は超重要。

優秀な担当者を見つけることができなければ、今まで同様、売却に苦労します。

正直な話、営業担当者の力量によって、あなたの不動産は「宝石」にもなれば「石ころ」にもなるのです。

 

もし、今の不動産会社や担当者に違和感を感じているのであれば、思い切って不動産会社を変えることも検討してみてください。

上手くいっていないことを繰り返していても、悪い状況は決して変わりません。

これ以上、売れない状況で辛い思いをするのはやめて、問題を改善するための行動をとってみてください。

 

ちなみに、不動産会社を吟味する際は、複数の担当者の意見を聞くために一括査定サイトを使うことをオススメしています。

私(編集長)も、売却前は必ず一括査定サイトを使って、査定額と担当者を徹底的に比較しています。

 

また、当編集部では、日本にある一括査定サイトを全て検証し、「本当に使うべき不動産一括査定サイト」を比較しています。

この記事を参考にしてもらえれば、査定サイト選びに失敗することはないです。

 

営業マンにも得意な分野があるので、話を聞く際に「エレベーターがないマンションの販売経験」を聞いてみてください。

エレベーターがないマンションの販売が得意な担当者を早く見つけて、「高値&早期」の売却を目指しましょう!