「戸建てへの住み替え」や「転勤」などの理由で、自宅マンションを売却しないといけないときがあります。
その際に、「空室」が売れやすいのか「居住中」のままがいいのかは、気になるところですね。
成約する「価格」や「期間」にも影響があるならば、少しでも有利な方を選びたくなります。
結論お伝えすると、有利に売却を進めたければ「空室」がオススメです。
空室だと「買主」と「不動産売却の担当者」に以下のようなメリットがあります。
メリット | |
---|---|
買主 | 部屋の隅々まで確認できる 気を使わなくていいので見学に集中できる |
担当者 | 売主と買主のスケジュール調整がいらない 部屋を広く見せられる(案内しやすい) |
少しでも高く売りたいのであれば、買主が検討しやすく、担当者が営業しやすい状況を作るのが大事です。
一方で、売主であるあなたにはデメリットがあるので、本文で詳しくお伝えしていきます。
この記事では、下記について詳しくご紹介。
- 売却するときは「空室」の方が有利な理由
- 「空室」「居住中」で少しでも高く売る方法
- 相談する「不動産会社」や「担当者」選びはすごく重要
じっくり読んでいただき、納得のいく売却活動をスタートさせてください。
【結論】マンション売却で有利なのは「空室」
マンションを売却する際は「空室」の方が売れやすいです。
室内に何もない状況だと、検討する「買主」営業する「担当者」にメリットが多いからです。
不動産売買は「売主」と「買主」の両者がいてはじめて成立するので、可能な限り「買主」が検討しやすい状況を作ることが大切です。
また、売却をサポートしてくれる「担当者」が営業しやすくなれば、成約までの「期間」や、場合によっては「価格」まで変わります。
ですから、「買主」と「担当者」それぞれのメリットを理解することで、スムーズに売却できる可能性が高まるのです。
しかし、「売主」であるあなたには1つのデメリットが発生します。
それぞれお伝えしていきます。
- 【買主】のメリット
- 【担当者】のメリット
- 【売主】のデメリット
【買主】のメリット
部屋が「空室」時の【買主のメリット】は以下の通り。
- 見学へのハードルが下がる
- 部屋の隅々まで確認できる
- 時間など気にせず見学可能
- すぐに引渡しを受けられる
もし、気になる部屋が「空室」であればいつでも見学ができるので、買主の「心理的なハードル」を下げられます。
逆に、居住中だと「検討度が高い人」以外は、「売主さんに日時を調整してもらうのが気が引ける・・・」と、見学を見送られてしまう可能性があるのです。
また、「空室時」の見学では、基本モノがないので「クローゼットの中」や「水回り(キッチン・お風呂)」など、気になる箇所を細かくチェックできます。
一方で、「居住中」であれば、仮に売主さんが許可しても、パーソナルスペースを頻繁に開け閉めするのは、どんな買主さんだって気が引けるものです。
つまり、買主さんにとって「空室時」の見学は「時間」を気にせず好きなだけ見学でき、「気を遣う」ことも少ないので、集中して検討しやすいのです。
もちろん、見学時間が長くなり、検討度合いが高くなれば、申込みをしてくれる可能性は高まります。
【担当者】のメリット
部屋が「空室」時の【担当者のメリット】は2つです。
- スケジュール調整の必要がない
- 部屋を広く見せられる
空室時の売却は、売却を担当する不動産会社が売主からカギを預かり、いつでも案内が可能な状況になります。
検討客から問い合わせがあり次第、すぐにアポイントを取って案内できるため、営業するチャンスが増えるのです。
しかし、居住中であれば「売主」「買主」双方のスケジュールを調整しなければなりません。
当然、空室時と比べると、案内できるチャンスが減るので、成約までに時間がかかる可能性があります。
「鉄は熱いうちに打て」という言葉がある通り、「問い合わせ → 見学」の時間が短いほど売却には有利なんです。
また、担当者にとっては、空室時の方が「部屋が広く見せられる」のもメリット。
たいていの場合、居住中の部屋だとモノが多く、さらに生活感も出やすいと言えます。
モデルルームのように洗練され、カッコいい部屋は別ですが(※経験上そんな部屋はなかなかありません)、家具などがない方が、広く見え買主の印象が良いことが多いです。
仮に、家具配置等がわかりづらいときは、写真で見せたり、のちほど紹介する「ホームステージング」を活用すれば解決できます。
以上のように、担当者にとっては「案内するチャンスが増える」「部屋を広く見せられる」ので、空室の方が売却しやすいのです。
【売主】のデメリット
自宅マンションを「空室」で売却するときに、売主であるあなたにはデメリットがあります。
それは「転居先との2重払いが発生してしまう」ことです。
マンションを所有していると「管理費」や「修繕積立金」が毎月かかってきます。
これらのランニングコストは、「空室」にしても支払いは無くならず、所有者が代わらない限り徴収され続けます。
なので、「引っ越し先」と「売却するマンション」の費用がそれぞれにかかってくるのです。
解決策としては、下記のことが考えられます。
- 販売価格に「2重払い」分を上乗せする
- まずは居住中で売却を始めてそのあと空室にする※空室期間を短くする
なにより、できるだけ2重払いの期間を短くするため、短期間で売り抜く戦略が重要です。
そのためには、売却を依頼する「不動産会社」や「担当者」選びがポイントになるので、それについても後ほど詳しく紹介します。
「空室」でマンションを高く売る方法
ここでは、「空室」のマンションを少しでも高く売却する方法をお伝えします。
- 室内をキレイにする
- 照明・カーテンは残しておく
- ホームステージングを活用する
【1】や【2】に関して、「そんな簡単なことなの?」と思われるかもしれませんが、意外とできていないことが多いです。
ちょっとした工夫で、成果が大いに変わるので、改めて確認してみてください。
【1】室内をキレイにする
まず、基本的なことですが「室内はキレイな状態」にしましょう。
室内のコンディションが悪いと、検討者の「購入したい」という気持ちを削いでしまうことがあります。
部屋の見た目(印象)は、それほどに気をつけないといけないのです。
以前、とあるマンション(売却担当は別会社)へお客様を案内したときの話です。
そのマンションは、駅に近くて「売却に出せばすぐに売れてしまう」ような人気のマンションでした。
私自身も何度かそのマンションの取引経験があり、「気に入ってもらえるだろうなぁ」と、淡い期待を胸にお客様と室内に入ったのです。
すると、中の状態を見て「お客様」と驚愕しました。
- 臭いがキツイ
- 壁いっぱいのシミ
- 室内がゴミだらけ
- 壁に穴が開いている
正直、入った瞬間に「引いてしまうレベル」だったんです・・・
当然に案内したお客様は、その部屋の購入を見送られました。
立地などは気に入っていただいていましたが、部屋のインパクトが強すぎて検討できないと断られたのです。
上記は、極端な例ですが、買主は「見学する部屋はキレイ」だと無意識に思っています。
なので、その期待を裏切ってしまうと、同時に購入意欲を削いでしまうことになるのです。
ですから、部屋の掃除は必ず実施するようにしてください。
もし、室内のダメージが大きいときは、不動産会社の担当者に「どの程度手を加えるか」相談しましょう。
相談せず、勝手にリフォームを依頼するようなことはしないでくださいね。※リフォームしても費用を回収できない可能性があるため。
【2】照明・カーテンは残しておく
空室で売却するときは、可能な限り「照明」「カーテン」はそのまま残しておくのをオススメします。
「照明」「カーテン」があるだけで、部屋の印象が変わり、デメリットを軽減する効果にも期待ができるからです。
先ほどの話とも繋がりますが、売却する際のポイントは「買主にできるだけいい状態の部屋を見せる」こと。
なので、できるだけ「キレイにする」ことが大事で、同じくらいに「明るくする」のも重要です。
私がお客様を案内するとき、たとえ時間帯が昼間でも照明は「常にON」にしています。
もし、あなたの部屋の日当たりが良くないのであれば、なおさら残しておくべきです。
カーテンに関しても、付いているだけで不思議と部屋の印象が良く見えます。
仮に周辺に「建物」や「嫌悪施設」などがあるときも、カーテンの「有無」で、買主の気持ちを和らげることが可能です。
デメリットがあると「値引き交渉」されやすくなるので、交渉をできる限り回避するためにも「照明」や「カーテン」は残しておきましょう。
【3】ホームステージングを活用する
「空室のまま売却できる気がしない」という人は、「ホームステージング」の活用を考えてみてください。
ホームステージングは「家具」や「インテリア」などを使って、購入検討者の興味を引くように部屋を演出するサービスです。
近年認知度が高まっており、大手不動産会社でも取り組みを始めています。
ホームステージングをすると、室内をモデルルームのようにできるので、検討者の「購入マインド」を上げることが可能です。
また、「一般社団法人日本ホームステージング協会」の資料では、「販売価格がアップする」と記載されています。
売却に苦労する物件が、ホームステージングで「すぐに売れた!」という話もよくあります。
なので、できるだけ「高く」売りたい人にはオススメです。
このサイトでは、ホームステージングについてより詳しく紹介している記事があります。
もっと深く知りたい人は、ぜひチェックしてください。↓
「居住中」でマンションを高く売る方法
ここからは、「居住中」のマンションを高く売る方法を紹介します。
空室で売却したいけど理由があってできない人は、以下の方法を試してください。
- 室内を整理整頓する
- 内見時は奥様が対応する
「空室」時と同様に、何ひとつ難しいことはありません。
ですが、必ず確認はしてくださいね。
【1】室内を整理整頓する
「居住中」のマンションを「高く」「スピーディー」に売るには、室内の整理整頓が最も大切です。
「空室」時で紹介したように、室内の見た目が悪いと「買主の購入マインド」が落ちる可能性が高いからです。
当然ながら、居住中の状態で売却を始めると、実生活をそのまま見せることになります。
常日頃からミニマリストのように、物が少なくスッキリしていれば良いのですが、実際問題そんな家庭は少ないです。
以下、心当たりがあるかもしれません。
- 数年間取り換えていない黄ばんだカーテン
- おもちゃ、小物などが床一面にいっぱい
- 学校や地域活動の書類が散乱
- 水回り(特に鏡)が劣化
ある程度の劣化は許容の範囲内ですが、見学をしてもらう際、少しでも気持ちよく見てもらう努力は大切です。
たとえ築年数が古い物件でも、キレイに掃除さえしていたら、それだけで買主さんに好印象を与えられます。
掃除する際に、特に気をつけたいポイントは「玄関」と「水回り」です。
玄関は、買主が一番最初に目にする場所なので、入念に掃除をしたいところです。
また、リフォームするか否かの判断のために「キッチン」や「お風呂」などの水回りを入念にチェックする検討者も多いです。
なので「玄関」と「水回り」に関しては、しっかりと掃除をしてください。
部屋の印象が良ければ、価格の交渉をされにくく、期待通りの売却に繋がりますよ。
【2】内見時は奥様が対応する
居住中での内見時は、できるだけ奥様が対応するのがオススメです。
奥様が対応することで以下のようなメリットがあります。
- 住んでみての感想をリアルに伝えられる
- 周辺環境について主婦目線で伝えられる
一般的に家にいる時間が長いのは奥様です。
なので、買主が知りたい情報である「日中の生活音・明るさ」や「平日と休日での変化」など、奥様であればよりリアルに伝えられます。
また、「学校までの距離」「自治会の活動」「安いスーパー」などの欠かせない情報も漏れなく伝えられるので、その点でも買主さんの信頼を勝ち取りやすいです。
ちなみに、内見を受け入れるときは「子供」や「ペット」は外に連れ出すのがいいでしょう。
全ての子供に当てはまるわけではありませんが、たまに突拍子もないことを言うお子さんがいますし(笑)、ペットも吠えたりすると印象はよくありません。
なので、内見時は「ご主人がお子さんやペットを連れて外出」、「奥さまが買主さんの対応をする」のがベストだと言えます。
【重要】「優秀な担当者」を見つければすべて解決する
売却にあたり「居住中」か「空室」の判断がつかないときは、売却を依頼する「不動産会社の担当者」に相談してみましょう。
紹介してきたように「空室」時の方が売れやすいのは確かですが、状況によっては「居住中」でも良い場合があります。
ですから、最終的には、売却のプロである担当者の意見を聞くのが正解です。
優秀な担当者であれば、しっかりと状況を把握してアドバイスしてくれます。
- 「売主の意向」と「部屋の状態」から「空室」or「居住中」どちらで売却を進めるかの提案
- 売主がかけられる「時間」や「費用」の把握 ※極力負担を少なく
- 必要な業者の手配(ハウスクリーニング・ホームステージング)
要は、売主であるあなたの「意向」や「予算」を最大限に汲み取って、それに基づいた最善の提案をしてくれるのです。
「そんなの当たり前じゃないの?」と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
ぶっちゃけた話、不動産業に携わる「担当者」は本当にピンキリです。
だからこそ、仕事ができて、信頼のおける担当者をあなた自身でちゃんと見つけないといけません。
良い担当者だと、売主の意向をちゃんと理解して、それに沿った提案をしてくれます。
一方で、ダメな担当者は「早く売りたいの一心」で、自分(担当者)の都合しか考えないのです。
だから、売主に対して「すぐに引っ越してください!できるだけ早く空き家にしましょう!」と、平気で急かしてきますよ・・・。
大切な不動産を「高額」かつ「スピーディー」に売却したければ、信頼でき仕事のできる「担当者」を選ぶことが全てです。
不動産会社を探すのにベストな方法が、「一括査定サイト」を利用すること。
一括査定サイトを使えば、一度で複数社に売却の依頼ができ、その中から信頼できる担当者を見つけやすいです。
あなたの「状況」や「予算」の話をちゃんと聞いてくれて、「空室」か「居住中」かの売却戦略を立ててくれる担当者に出会えます。
「優秀な不動産会社に任せること」は、高額かつ早期売却に必須の条件。
そのため、不動産会社選びは、とことん時間をかけてこだわってほしいです。
ちなみに、当サイトでは、日本にある一括査定サイトを全て検証し、「本当に使うべき不動産一括査定サイト」を比較していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【まとめ】マンションを希望通りに売るなら優秀な担当者に任せよう!
自宅マンションを希望通りに売るための一番のポイントは「優秀な担当者」を見つけることです。
売主の意向をちゃんと理解できる担当者であれば、負担が少ない中でも「高額 & 早期」に売却できます。
担当者によって、売却までの「過程」と「成果」は間違いなく変わるのです。
信頼できる担当者であれば、本文で紹介した方法を提案してくれますし、もっと良い戦略を提示してくれる可能性もあります。
【空室でマンションを高く売る方法】
- 室内をキレイにする
- 照明・カーテンは残しておく
- ホームステージングを活用する
【居住中でマンションを高く売る方法】
- 室内を整理整頓する
- 内見時は奥様が対応する
「空室」「居住中」いずれの売却にしても、いい担当者に巡り合い、正しい戦略で進められれば、納得のいく売却はできます。
ですから、まずは不動産会社選びに全力を注いでください。
もし、「どうやって優秀な担当者を探せばいいかわからない」と思っているなら、『一括査定サイト』を利用がオススメです。
一括査定サイトを使えば一度で複数社に相談できるので、信頼できる担当者を見つけやすいですよ。
実際に当サイトの編集長も、売却に際し一括査定サイトを利用して「担当者の信頼性」をチェックした結果、190万円も高く売却できています。
また、以下の記事では日本にある一括査定サイトを全て検証し、「本当に使うべき不動産一括査定サイト」を比較しています。
ぜひ、あなたに最適な一括査定サイトを選んでみてください。
あなたの意向を最大限に理解してくれる「会社」や「担当者」を見つけて、高値での売却を目指しましょう!