不動産を売却するとき「大手に頼んだら高く売れるの?」「中小だと安全に取引してもらえるか心配」など、多くの疑問や不安が出てきます。
「不動産会社に直接聞いてみよう」と思っても、営業かけられそうで嫌だ( or 怖い)と気持ちにもなりますよね。
結論お伝えすると、会社の規模によって「売却の成果」や「受けられるサービス」は変わってきます。
大手・中小では「実践できる戦略」や「会社の方針・考え方」に違いがあるからです。
世間一般では「大手が良い」と思われていますが、決してそうとは限りません。
最も大切なのは、売主に対して最大限の利益(=効果)をもたらしてくれる「担当者選び」です。
ぶっちゃけた話をすれば、大手だから全員優秀だとは限らず、中小にも仕事のできる人はたくさんいます。
ですから、「会社の質」と「担当者の能力」をちゃんと見極められるかが重要です。
この記事では、下記について詳しくご紹介。
- 会社の規模よりも「担当者選び」が大切な理由
- 大手・中小それぞれの「メリット・デメリット」
- 信頼できる担当者を選ぶ方法
じっくり読んでいただき、納得のいく売却活動をスタートさせてください。
不動産売却の依頼業者は大手でも中小でも良い!【理由は?】
不動産を売却する際に、依頼する会社は「大手・中小」どちらでも構いません。
もちろん、会社の規模は大切ですが、売却で最も重要な要素は「担当者」だからです。
依頼する担当者で、間違いなく成果は変わります。
以下は、実際に不動産の売却経験のある人たちに聞いたアンケートです。
「会社の知名度」よりも、「担当者の対応・印象」の項目が上回っていますね。
画像引用:PRTIMES「2500人に聞いた不動産会社の選び方!「中小・地方不動産会社向け売却獲得の勝ちパターン」を公表(共同研究:株式会社WACUL)」
不動産を売却するときに「担当者の印象で決めた!」という話は本当によく聞きます。
- 見た目に清潔感がある
- 売却までの戦略が明確
- 一生懸命さに熱意を感じる
- 査定結果の説明がわかりやすい
上記内容は「経験や人間性の部分」ですよね。
つまり、担当者の「仕事ができるかどうか」「信頼できるかどうか」は、会社の規模と関係が薄いのです。
優秀な担当者を選べたかどうかで、「売却したあとの満足感」は確実に変わります。
ですから、依頼する業者を選ぶときは「会社の規模」ばかりに注目せず、信頼できる「担当者」を選ぶ方に力を注いでください。
とは言え、会社の規模で「戦略」などが変わってくるのも事実。
次の章からは「大手・中小」それぞれに依頼する「メリット・デメリット」を紹介していきます。
「大手」に不動産売却を依頼するメリットとデメリット
まずは、大手の不動産会社に依頼する「メリット・デメリット」です。
大手に依頼すると、中小では実現できないような多くのメリットがあります。
一方で、不動産売却で「最も避けたいデメリット」もあるのです。
ですから、しっかりとチェックをお願いします。
「大手」に不動産売却を依頼する『メリット』
「大手」不動産会社に売却を依頼するメリットは「4つ」です。
どのサービスも中小企業では実現が難しいものばかりなので、魅力に感じられると思います。
早速、紹介していきます。
【1】集客力がスバ抜けている
大手不動産会社に依頼する一番のメリットは「集客力がある」ことで、すぐに買主を見つけられる可能性があります。
理由は、大手には莫大な広告予算があり、さまざまな媒体を使って広告活動ができるからです。
不動産を売却するために「集客力」はかなり重要で、実施する「回数」や「内容」で売れ行きが左右されます。
大手不動産会社に依頼をすると、以下のような広告活動を実施してくれます。
- 自社サイトへの掲載
- ポータルサイトへの掲出
- 既存顧客へのダイレクトメール
- 「新聞折込」や「ポスティング」
どれも、中小では絶対にマネできないほどお金をかけているので、「質」と「量」ともに期待が持てるんです。
当然に、たくさん広告をしてもらえると検討者の目に触れる機会が増えるので、問い合わせの数が増加します。
問い合わせが増えると、成約する可能性も高まるので、売主にとってはこれ以上ないメリットです。
不動産会社の広告活動については、詳しくまとめた記事があるので、気になる人はチェックしてみてください。
【2】顧客のストック数が多い
続いてのメリットが「顧客のストック数が多い」ので、早期の売却に期待ができること。
先ほど紹介したように、大手不動産会社は普段からたくさんの広告を実施しています。
そのため、店舗には毎日のように購入検討者からの問い合わせがあるのです。
問い合わせがあると、以下の情報が取りまとめられてリスト化されます。
- 年齢 & 家族構成
- 物件種別 & 予算
- エリア & その他条件
店舗で新たに物件を預かると、まずは上記リストの中から条件に合う人を探すことがほとんどです。
リストの中から買主を見つけられると、それぞれにメリットがあります。
- 売主 → 最短で売却ができる(固定資産税などのランニングコストを圧縮可能)
- 不動産会社 → 営業にかかる「時間」や「費用」を最小限にできる
ほかにも、売却期間が短いと「売れるかの心配が不要」「値下げをしなくてよい」など、多くの良い点があります。
ストック顧客がいるかどうかで売却期間が変わるため、リストを多く持っている大手に依頼するのはメリットです。
【3】営業が組織化 & ハイテク化されている
大手の会社は、営業面でもいろんな工夫が見られます。
具体的な例が「組織化」と「ハイテク化」です。
営業の組織化とは、1つの物件に対して2、3人で担当する制度で「ユニット制」とも呼ばれ、「三井のリハウス」が採用しています。
複数人で担当してもらえるユニット制だと、以下のような良い面があります。
- ダブルチェック機能が働きミスが起こりにくい
- 接客レベルが安定しやすい
- 連絡が取りやすい
ほかにも、大手の会社には「契約書」や「重要事項説明書」に不備がないかをチェックする部署が、営業とは別に存在します。
「契約書」等に不備があるとトラブルに直結するため、組織の中に専門のチェック機関があると任せる側も安心です。
ハイテク化で言うと、AI(人工知能)を使って査定を実施する会社も出てきています。
膨大なデータを用いたAI査定では、売却時期によって変動しがちな成約価格も、最新の状態でチェックができます。
今後は、重要事項説明もIT化が進むと予測され、設備投資にお金を使える大手だと何かと恩恵を受けやすいです。
不動産業界は、他の業界よりもIT化が遅れているとも言われている中で「営業のハイテク化を進める大手」は、魅力に感じられる部分が多いですよ。
「三井のリハウス」については、別記事で詳しくまとめていますので、チェックしてみてください。
【4】多様なサービス& 安心感
大手不動産会社に売却を依頼すると「さまざまなサービス」を受けられ、なにより「安心して任せられる」のがメリット。
大手の不動産会社に売却を依頼すると、下記のようなサービスを受けられます。
- ハウスクリーニング
- 建物や設備の「調査」&「修理」
- 引渡し後のトラブルへの対応
中でも「建物・設備」に関するサービスは、売主として非常に心強いと言えます。
建物や設備の不具合は、引渡した後に起こるトラブルの原因になるからです。
大手のサービスだと万が一トラブルが起きてしまっても、会社が費用を立て替えたり、対応してくれます。
ですから、売主(あなた)の負担は確実に軽減されるのです。
トラブルが起きると精神的に疲れてしまい、解決までに相応の「時間」と「お金」がかかるので、活用しない手はありません。
上記のような理由から、「もしも・・・」のケースを考えると「補償が手厚い」「安心感のある」大手への依頼はオススメです。
「大手」に不動産売却を依頼する『デメリット』
「大手」不動産会社に売却を依頼するときのデメリットは「2つ」です。
- 「囲い込み」されるリスクが高い
- 「エリア」や「物件」によって依頼できないことがる
特に気をつけたいのが、【1】囲い込みのリスクです。
囲い込みは、知っておかないと損をする可能性が大なので絶対に確認をお願いします。
【1】「囲い込み」されるリスクが高い
大手不動産会社に依頼すると「囲い込み」をされる可能性があります。
囲い込みとは、物件の情報を他の会社に隠し、自社で取引を完結させる行為です。
囲い込みをすれば、業者としては「売主」「買主」双方から手数料がもらえるので、通常の2倍の報酬がもらえます。
囲い込みは、昔から不動産業界で問題視されている行為です。
そんな囲い込みに関して、最近は「大手不動産会社が囲い込みをしているのでは?」との報道が頻繁に取り上げられているんです。
画像引用:ダイヤモンド不動産研究所 大手不動産仲介は「囲い込み」が蔓延?!住友不動産販売の「両手比率」は、52.26%! 不動産売却時は「両手比率」が高い会社に注意を【2021年最新データ】
他にもあります。
「大手が囲い込みをしている」と疑われる理由には「1人当たりの売り上げ目標が高い」ことが挙げられます。
一方で、大手にはストック顧客が多いため「自然と自社取引の割合が高くなる」ことも十分に考えられるのです。
正直なところ、囲い込みしているかどうかの判断は、不動産売買の経験者でもわかりにくいです。
しかし、大手不動産会社の両手取引の割合が高いことは事実であり、記事にされるほどなので会社を無条件に信用するのは絶対にNG。
仮に囲い込みをされると、売却期間が長くなり、価格を下げないといけなくなるかもしれないので、売主としてはデメリットしかありません。
囲い込みをされないためには、担当者に対して「囲い込みってあるんですか?」と聞いてみてください。
「ある」とは言えないので「ない」と言うと思いますが、このように言葉ではっきりと言わせることが大事です。(言葉にすると無意識が働いて、囲い込みしづらくなります)
囲い込みに関して、さらに詳しく知りたい人は↓の記事にまとめています。
【2】「エリア」や「物件」によって依頼できないことがある
大手不動産会社に依頼する場合、物件の条件によって依頼できないときがあります。
条件とは「エリア」や「依頼する物件が法律を満たしているか」などです。
大手不動産会社の店舗は、基本的に主要都市にしかありません。
なので、「地方」や「郊外」にある物件を依頼したくても引き受けてもらえない可能性が高いです。
また、下記のような物件も断られるケースがあります。
- 接道していない「戸建て」や「土地」
- 建築基準法を満たしていない建物
- 「任意売却」や「競売」物件
↑の物件は、取引するとトラブルになる可能性が高い不動産です。
実際に、上記3つ目に該当する物件の売却を大手不動産会社に断られた売主さんを知っています。
大手不動産会社は、トラブルを回避しようとする傾向が中小よりも強いです。
あと、極端に取引額が少ない物件も「断られる」もしくは「力を入れてくれない」ときがあるので注意したいところです。
「中小」に不動産売却を依頼するメリットとデメリット
ここからは、「中小」の不動産会社に依頼する「メリット・デメリット」です。
大手のように大々的な広告などはできませんが、中小にも独自のメリットは存在します。
一方で、大手よりもハズレを引きやすいリスクが高いので対策をまとめています。
「中小」に不動産売却を依頼する『メリット』
「中小」の不動産会社に売却を依頼するときのメリットは「2つ」です。
- 地域の特性を理解している
- 柔軟な対応をしてもらえる
【2】に関しては、売却で得する情報を含んでいるので要チェックでお願いします。
【1】地域の特性を理解している
中小の不動産会社は、大手よりもエリアを熟知しており、独自の顧客情報を持っているところがあります。
中小会社は、地域に根差した経営戦略で営業しているところが多いからです。
中小の不動産会社は「広範囲に大々的な広告」を実施できません。
しかし、特定のエリアに対しては、大手がやらないような「看板」や「地元フリーペーパーの広告」などにお金をかけています。
また、「商店街」や「地元の祭り」などに協賛している会社も多いです。
地域に根差した地道な活動により、エリアの特性を十二分に理解しています。
エリアのことを深く知っていると、買主に対して細やかな説明ができるので、申込みを取得できる確率が高まります。
また、大手が知らないような情報網を持っているのも事実。
古くから付き合いのある地主さんからの「紹介」などで、検討者を見つけてくれるケースもあるんです。
「紹介」のお客さんは成約する可能性が高いため、早期の売却に期待ができますよ。
【2】柔軟な対応をしてもらえる
中小の会社に依頼するメリットに「柔軟性がある」ことも挙げられます。
大手に比べて「コンプライアンスの規制が強くない」からです。
大手の中には「宅建業法」よりも「社内規定」の方が厳しい会社が存在します。
一方で、中小の不動産会社だと法律の範囲内であれば、ある程度のことは柔軟に対応してくれるんです。
仮に、担当者レベルで判断がつかない場合も、決裁者が少ない分「回答」をもらえるまでの時間も短いです。
ちなみに、経験上ですが「大手よりも中小の方が仲介手数料をサービスしてくれやすい」と言えます。
大手の場合、会社が売主に対して迷惑をかけない限り、手数料を引くことはありません。
一方で、中小の会社だと交渉するだけで多少のサービスを引き出せる場合があるので、ぜひ使ってみてくださいね。
「中小」に不動産売却を依頼する『デメリット』
「中小」不動産会社に売却を依頼するときのデメリットは「2つ」です。
- 集客力に乏しい
- 会社によって実力差が激しい
特に【2】には気をつけないといけません。
【1】集客力に乏しい
中小の不動産会社の一番のデメリットは「集客力に乏しい」点です。
繰り返しになりますが、中小だと大手ほどに広告の「量」&「質」に期待ができません。
不動産売却で納得のいく成果を出すために「集客」は大切です。
その点で言うと、確実に大手の方に分があります。
実際、中小会社には「SUUMO」や「アットホーム」などのポータルサイトに登録していない会社も存在するほど。
広告が限定的だと、買主を探すのに時間がかかり、長期化すると売却では不利になります。
ですから、中小の会社同士で比較するときは「どんな広告をどれくらい実施してくれそうか」で判断するのもありですよ。
【2】会社によって実力差が激しい
中小だと「担当者の実力差が激しい」のも注意したいポイントです。
大手とは異なり、研修などの環境が整っていないので、個々の力量に大きな差があります。
まず、知っておいてほしい事実は、「中小の会社」にも優秀な担当者が存在することです。
大手不動産会社で経験を積んだ営業マンが独立したり、ヘッドハンティングされて働いているケースがあります。
また、大手の出身者でなくとも、コツコツと努力をしてスキルを高めている人もいるんです。
一方で「この営業マンほんとに大丈夫?」と心配になる担当者もいます。
中小だと特にその傾向が強いと言わざるを得ません。
ですから、担当者が信頼できる人物か否かは、慎重に判断するようにしましょう。
【重要】「優秀な担当者」を見つければすべて解決する
ここまで「大手」「中小」に依頼するの「メリット・デメリット」についてお伝えしました。
正直な話、「どっちに頼むのがいいんだろう?」って判断するのが難しいですよね。
ですが、忘れてはいけないポイントは、会社の規模よりも「優秀な担当者」を見つけることです。
大手だからといって全員が優秀だとは限らず、中小にも能力の高い人はいます。
選択肢が多い中でも、うまく活用できなければ何の意味もありません。
逆に、限られた環境の中でも最大限の成果を出せる人がいるのです。
そのため、会社の規模ばかりにとらわれず「仕事のできる担当者かどうか」に目を向けるようにしましょう。
大切な不動産を「安全」かつ「スピーディー」に売却したければ、信頼できる担当者を選ぶことが全てです。
優秀な担当者を探すのにベストな方法が「一括査定サイト」を利用すること。
一括査定サイトを使えば、一度で複数社に売却の依頼ができ、信頼できる担当者を見つけやすいです。
大手・中小それぞれの担当者から話を聞けば、納得のいく判断ができますよ。
「優秀な担当者に任せること」は、安心かつ高値での売却に必須の条件です。
そのため、担当者選びには、とことん時間をかけてこだわってほしいです。
ちなみに、当サイトでは、日本にある一括査定サイトを全て検証し、「本当に使うべき不動産一括査定サイト」を比較していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【まとめ】不動産を高く売るなら優秀な担当者に相談を!
「大手不動産会社」「中小不動産会社」には、それぞれに強みと弱みがあります。
また、会社の規模によって「成約に至るまでの戦略」や「サービス内容」が異なることも事実です。
そのため「依頼する際は、どちらの方が適しているのか」を、よく考えて結論を出す必要があります。
「大手 = 信頼できる」「中小 = 頼りない」という発想だけで会社を選ぶと、本当にもったいないですよ。
また、会社の規模と併せて「優秀な担当者」であるかどうかの見極めも重要です。
もし、「どうやって優秀な担当者を探せばいいかわからない」と思っているなら、『一括査定サイト』を利用がオススメです。
一括査定サイトを使えば一度で複数社に相談できるので、信頼できる担当者を見つけやすいですよ。
実際にサイトの編集長も、売却に際し一括査定サイトを利用して「担当者の信頼性」をチェックした結果、190万円も高く売却できています。
また、以下の記事では日本にある一括査定サイトを全て検証し、「本当に使うべき不動産一括査定サイト」を比較しています。
ぜひ、あなたに最適な一括査定サイトを選んでみてください。
あなたに適した「会社」や「担当者」を見つけて、高値での売却を目指しましょう!