不動産売却で納税が必要なときに「納める税額を減らしたい」「節税する方法はないの?」など、「少しでもお金を手元に残したい!」という気持ちになりますね。
「ふるさと納税だと減税・節税できるよ」と口コミやネット記事に勧められて、「利用してみようかな」と考えている人も多いと思います。
先に結論をお伝えすると、「ふるさと納税」をしても納める税金は減らせません。
しかし、普通に納税するよりもお得にはできます。
なので、利用しようか迷っている人には、是非とも使ってもらいたい制度です。
この記事では「なぜふるさと納税では減税・節税できないのか?」をはじめ、ふるさと納税の疑問について詳しく解説していきます。
- ふるさと納税とは?
- なぜ多くの人がふるさと納税を利用するのか?
- 不動産売却で支払う税金はふるさと納税を利用すべきか?
ふるさと納税は「間違った理解をしている人が多い」ので、しっかりとチェックしてお得に活用してください。
不動産売却の税金は「ふるさと納税」を使っても安くならない!
不動産を売却して納める予定の税金を、「ふるさと納税」で払ったとしても節税・減税の効果はありません。
「ふるさと納税」は、結果的に「税金を前払いしている」だけの制度だからです。
「制度を間違って理解している人」や「誤った情報を伝えているネット記事」が多いので注意してください。
正しく理解していただけるように、以下の2点からお伝えします。
- ふるさと納税とは?
- ふるさと納税が減税にならない理由
ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、居住地以外の自治体に「寄附」ができる制度です。
「寄附する自治体」や「寄附金の使い道」を自分で選べることなどがメリットで、多くの人が利用しています。
なにより、寄附した自治体の名産などを「返礼品としてもらえること」が人気の理由です。
注意点として、ふるさと納税には「納税」という言葉が使われているので「税金だ」と思っている人が多いのですが、制度としては「寄附」である点。
↑ここが最も勘違いしやすいので、まずは「ふるさと納税 = 税金ではなく寄附である」点をしっかりと抑えておきましょう。
ふるさと納税が「節税・減税」にならない理由
ふるさと納税が「節税・減税」に繋がらない理由をお伝えするにあたり、前提として知っておいてほしい知識があります。
それは『ふるさと納税で寄附したお金は、寄附額から2,000円を除いた金額を、納める税金から「還付」もしくは「控除」できる』ということです。
前章で説明した内容と混同しやすいためまとめます。
具体的にお伝えします。
ふるさと納税で寄附したお金は、「2,000円」を引いた額が納めた自治体で活用されます。
例えば「60,000円」を寄附すると、「2,000円」を差し引いた「58,000円」が寄附金として使われる、といった具合です。
寄附した「58,000円」は、あなたが本来納める予定の税金から「還付」もしくは「控除」できます。※年収や家族構成で上限額あり。後ほど詳しく解説します。
具体的に「所得税」と「住民税」が以下のように取り扱われます。
- 所得税・・・その年の確定申告時に還付(戻ってくる)される
- 住民税・・・翌年分から控除(元の分から差し引かれる)される
「還付・控除」ともに、「割引される」や「減少する」という意味ではない点に注意しましょう。
ふるさと納税は、限度額の範囲内で自己負担2000円を除いた全額が、税金から「還付」or「控除」される仕組みです。
つまり、実質的には「税金を前払いしている」という状態で、「支払う税金が割引されたり、減ったりしているわけではない」のです。
これが「ふるさと納税は節税・減税にならない」理由になります。
「ふるさと納税」が節税対策に良いと言われる理由
前章でお伝えしたとおり、ふるさと納税を利用しても支払う税金を割引くことはできません。
しかし、多くの人がふるさと納税を利用しているのは「返礼品がもらえてその分がお得になる」からです。
ふるさと納税では、寄附した金額から「2,000円」を引いた額が自治体で活用され、お礼として返礼品がもらえます。
要は「自己負担分の2,000円で返礼品がもらえる」という理解でOKです。
↑ここがいちばんのポイントで、もらえる返礼品の内容が「2,000円を超える」ようなものがあり得をするケースが多いんです。
【返礼品の紹介ページ】
画像引用:ふるさと納税ガイド公式ホームページ
返礼品は「日用品」から「お米」や「肉・魚」、「お酒」などいろいろな種類があります。
私もふるさと納税は経験済ですが、「どの返礼品にしようかなぁ」と選ぶだけでもすごく楽しいですよ。
一方で、普通に「所得税・住民税」を納めても当然ながら返礼品などはないので、支払ったらそれでおしまいです・・・
だとすると「2,000円」の自己負担は必要ですが、ふるさと納税を利用して返礼品を受け取るほうが「お得だ」と言えます。
なので、多くの人が返礼品を楽しみに、ふるさと納税の制度を楽しんでいるんです。
不動産売却の税金は「ふるさと納税」を利用すべき?
不動産を売却して「所得税」と「住民税」の納税義務が生じたら、間違いなく「ふるさと納税」を利用すべきです。
ここまで説明してきたように、ふるさと納税は直接的に税金を安くはできませんが、返礼品がもらえてお得になるからです。
さらに、不動産売却で発生する税金を「ふるさと納税」に充てるのにオススメの理由があります。
ふるさと納税には「所得が上がると寄附額が上げられるという特徴」があることです。
本来、ふるさと納税には「年収」や「家族構成」などで、寄附できる上限額が設定されています。
上限額を超えての寄附もできますが、超えた分は税金の「還付」や「控除」の対象にはなりません。
参考までにふるさと納税を管轄する「総務省」の該当ページを載せておきます。
しかし、この上限額は「所得が増えると引き上げられる」んです。
不動産を売却すると、所得が一気に跳ね上がる可能性が高く、それに伴い納税額もアップします。
ふるさと納税だと、逆にその原理を利用でき、以下のような状態になるのです。
つまり、より多くの返礼品を受け取れるので益々お得になるのです。
また、寄附額が多ければ、質の高い(高価な)返礼品を選ぶこともできます。
なので、不動産を売却して納税が必要になった場合は、「ふるさと納税を活用する」ことが正解なんです。
より詳しい上限額が知りたい人のために、返礼品掲載数ナンバー1の「ふるさとチョイス」の該当ページを載せておきます。
また、不動産の売却に絡む所得税については、以前に別の記事でまとめていますので、気になる人はチェックしてください。
【まとめ】不動産売却で税金を支払うなら「ふるさと納税」を使った方が得!
「ふるさと納税」を利用しても納める税額を減らすことはできませんが、普通に納税するよりも返礼品がもらえる分すごくお得です。
加えて、所得が増えると寄附の上限額もアップするので、不動産売却にかかる税金は「ふるさと納税を使った方が良い」と言えます。
しかし、利用するにあたって注意点もあるのでしっかりと確認しておいてください。↓
【ふるさと納税を利用する際の注意点】
- 上限額を超えて寄付しても税金の「還付」「控除」は受けられない
- ふるさと納税を利用する際は「不動産を売却した年の年末」までに行う
- 「売却した名義人」と「ふるさと納税を利用する人」は同一人物でないといけない
注意点に気をつけながらふるさと納税を使えば、美味しいものが食べられたり、生活費を浮かしたりとお得がいっぱいです。
ぜひ、正しい知識でふるさと納税を活用してみてください。
ちなみに、このサイトでは、不動産売却に関する情報についてまとめています。
「自分で調べると難しい税金に関する情報」や「不動産を高く売る方法」についての記事もありますので、興味があれば他の記事も読んでみてくださいね。
それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
不動産売却アカデミー編集部