聞き手
こんな状況だと、日に日に焦りが増して、精神的にも辛いですよね。
確かに、築年数が経過しすぎたマンションは、築浅マンションに比べて人気が低く、売却に苦労しがち。
「もう永久に売れないのではないか・・・」と心配になる気持ちはとてもよくわかります。
私も過去に同じようなケースのお客様から、何度も相談を受けてきました。
先に結論をお伝えすると、築30年超えのマンションが売れないのは、その特徴に適した売り方ができていないからです。
築古マンションの「強みと弱み」を把握して、ちゃんと対策すれば、間違いなく売れます。
この記事では「どうすれば築古マンションがスムーズに売れるのか?」について、必要なポイントを詳しく紹介していきます。
あなたの売却中のマンションが、条件をクリアしているかどうかをチェックしながら、読み進めてみてください!
築30年以上のマンションが売れない(売れにくい)のはなぜか?
築30年以上のマンションが売れないのには、さまざまな要因が絡んでいます。
特に多い理由は以下の3つです。↓
- 見た目の劣化が激しい
- 設備や性能が低い
- 耐震性の不安
どの理由にも共通しているのは、買主側にとっては不安材料であり、リスクが伴うという点。
逆に言えば、その不安要素やリスクを取り除ければ、売却できるチャンスは十分にあるということです。
仮に、築30年どころか「築40年、築50年」となれば、ますます売れにくくなるのは言うまでもありません。
そのため、これ以上古くならないうちに、いかに早く売り切るかが重要です。
それでは、築30年超えのマンションを売るための対策を見ていきましょう。
築30年以上のマンションでも高く&早く売れる4つの対策
築30年を超えるマンションを少しでも高く、そして早く売るための対策は、主に以下の4つです。
- 「基本的な対策」を取る
- 「新耐震基準」をアピール
- 「管理、修繕状況」をアピール
- 「住宅ローン」を使えることをアピール
どれも築古マンションを売るためには、欠かすことのできないポイント。
一つずつ詳しく説明していきます。
【対策1】まずは「基本的な対策」を取る
あなたのマンションが売れないのは、基本的な対策が取られていないからかもしれません。
もちろん、築年数が買主側にとって購入を躊躇させる原因となるのは言うまでもありません。
しかし、それ以外にも売れない要因がある可能性も十分に考えられます。
マンションが売れない理由は、1つだけでなく複数の異なる要因が絡んでいるケースが多いからです。↓
- 不動産会社(担当者)が無能
- 「老朽化」が進んでいる
- ランニングコストが高い
- 立地が悪い
- 価格が適正じゃない
- ライバル物件が多い
- 部屋が汚い
特に「売却を依頼する不動産会社や担当者の仕事ぶり」を見直すことは最も需要。
良い不動産売却になるかどうかは、「不動産会社や担当者しだい」だからです。
経験があって能力も高く、仕事のできる担当者であれば、すべて丸投げでもちゃんと売ってくれます。
仮に売れない場合も、的確なアドバイスや問題解決の提案を元に、最後までしっかり売り切ってくれます。
もし、今の担当者が「信頼の置けない人」なのであれば、不動産会社を変えたらすぐに売れるかもしれません。
マンションの売却の成否は「売却を依頼する不動産会社や担当者がすべて」といっても過言ではないのです。
以下の記事では、不動産会社が売れない理由になっていることの詳細や、その他の基本的な対策についてまとめているので、一度チェックしておくことをオススメします。
【対策2】「新耐震基準」をアピール
あなたのマンションが、1981年(昭和56年)6月以降に建てられたものであれば、「新耐震基準」であることをアピールしましょう。
「新耐震基準」で建てられたマンションは、それ以前に建築されたものに比べて、耐震性が高いです。
つまり「地震に強い建物」だと言えるのです。
具体的に、新耐震基準では「震度6~7程度」の地震でも建物が倒壊・崩壊しないレベルとされています。
一方で、1981年(昭和56年)6月以前に建築された建物を「旧耐震基準」といい、こちらは「震度5程度」の地震に耐えられることが基準になっています。
実際に1995年に起きた「阪神・淡路大震災」では、「旧耐震基準」の建物の多くが被害を受けました。
買主が中古マンションを購入する際、耐震性は絶対に外せないポイントの一つです。
そのため、あなたのマンションが「新耐震基準」であれば、そのことをしっかり不動産会社の営業担当に伝えて、買主側に「安心・安全」をアピールしてもらいましょう。
(※優秀な担当者なら言わなくてもやってくれますが)
【対策3】「管理・修繕状況」をアピール
老朽化が進んだマンションでも管理や修繕の状況が良ければ、買主は安心して購入に踏み切ってくれます。
管理や修繕の状況は「売主の質」や「管理組合がきちんと機能しているか」などの判断材料になるからです。
ポイントは以下の2点。
- 「専有部分」の管理・修繕状況
- 「共用部分」の管理・修繕状況
それぞれ詳しく解説していきます。
【1】「専有部分」の管理・修繕状況
売主が責任を負っている専有部分(部屋の内部)で特に注意したいのが「結露によるカビ」と「給排水管」の2点。
築30年のマンションだと、現在のような「複層ガラス(ペアガラス)」や「24時間換気」といった設備がなく、室内に結露が発生しやすい状態です。
そのため、クロスなどにカビが生えやすく、悪臭の原因になります。
もし売却中のマンションのクロスにカビが生えている場合は、キレイに拭きあげるか、張替えを検討してみると良いです。
また、「給排水管」にも注意が必要です。
築30年ともなれば、高い確率で配管が劣化しています。
劣化した配管は内部に錆びが付着して「つまり」の原因になったり、つなぎ目であるパッキンが損傷して水漏れを起こしたりと、かなり厄介です。
マンションの構造によっては、配管を取り換えられないケースもあるため、不動産会社の担当者に対応について相談してみることをオススメします。
【2】「共用部分」の管理・修繕状況
2つめに確認したいポイントは「共用部分の管理・修繕状況」です。
基本的に、「建物の管理・修繕はマンションの管理組合が行っているので、その運営状況を把握します。
たとえ部屋の中がキレイでも、エントランスや廊下にゴミがたくさん落ちているようなマンションは、買主に悪い印象を与えます。
私が以前にマンションの内覧対応をしていた際、「雨漏りが放置され、共用部分の壁が変色している」という理由で購入を見送られたお客さまがいました。
それくらい買主は、マンションの共用部分についてもしっかりとチェックしているのです。
共用部分について問題は、個人の力ではコントロールが難しいです。
「管理人・管理会社・管理組合」をうまく使い、改善できるかどうか働きかけてみましょう。
【対策4】「住宅ローン」が使えることをアピール
「中古マンションでも住宅ローンが使える」ことを念のためアピールしておきましょう。
中古マンションを検討している人の中には、「中古だと住宅ローンが使えない」と勘違いしている人がまれにいます。
ただし、中古マンションの状態により「借りられない」または「借入年数が限定される」ようなケースがあることは知っておいてください。↓
- 建築基準法を満たしていないと借りられない
- 築年数が経過しすぎていると借入年数が限定される
- 住宅ローン控除は築25年まで
【1】「建築基準法」を満たしていないと借りられない
あなたのマンションが建築基準法を満たしていなければ、買主は住宅ローンを利用できません。
融資を実行する金融機関にとって、法律を満たしていないマンションは、担保対象として扱えないからです。
「対策2」で紹介した耐震基準で言うと、「旧耐震基準」の建物では住宅ローンが使えない可能性が大。
地震で倒壊や崩壊する確率が高いものに、銀行側もわざわざリスクを負ってまで融資したくないからです。
しかし、金融機関によって担保評価の考え方は異なるので、すべての銀行でローンが借りられないというわけではありません。
あなたのマンションが建築基準法を満たしているかどうか、売却依頼している担当者に確認しておくと良いです。
【2】築年数が経過しすぎていると「借入年数」が限定される
金融機関によっては、築年数によって借入年数が制限されるところがあります。
築古マンションは、資産価値がほぼないに等しく、担保として見られなくなってしまうためです。
「借入年数の制限」に関する具体的なケースとしては、
- 55年 - 築年数 = 借入可能年数
- 50年 - 築年数 = 借入可能年数
などさまざまです。
金融機関の中には、マンションのような耐火建築物に限り、借入年数の制限を設けていないところもあります。
買主の多くは住宅ローンを利用してマンションを購入します。
なので、どの金融機関が自分のマンションに融資してくれるのか、自分で調べて営業担当に伝えるのも良い方法です。
※ここだけの話、営業マンの中には、特定の銀行ばかりを利用し、ローンの知識に疎い人がいるので注意したいところ。
築年数の経過は、住宅ローンの融資に少なからず影響を及ぼすので、1年でも早い売却が望ましいです。
【3】住宅ローン控除は「築25年」まで
住宅ローンに関連した話ですが、住宅ローン控除は「築25年」までのマンションにしか使えません。
国税庁のホームページ、住宅ローン控除の適用要件の中にしっかり記載されています。↓
住宅ローン控除とは、年末ローン残高の1%が最大13年間にわたり所得税や一部住民税から還付される制度。
「最大400万円」が返ってくるため、買主にとっては購入の強い後押しになっています。
しかし残念なことに、築30年のマンションだとこの制度が使えません。
そのため、私が過去にローン控除が使えない築古マンションを売却した際は、多少値引き交渉に応じることで短期間に売り抜きました。
なので、「ローン控除」が使えなくても、買主側に他のメリットを提示できれば交渉は上手く進みます。
【まとめ】築30年以上のマンションでも正しく対策すれば売れる!
今回は、築30年以上のマンションを売るための対策について紹介しました。
- 「基本的な対策」を取る
- 「新耐震基準」をアピール
- 「管理、修繕状況」をアピール
- 「住宅ローン」を使えることをアピール
築古マンションの購入は、買主側にとってリスクを伴います。
そのため、売却活動が築浅のマンションに比べて難しく、長期化する可能性は高いです。
しかし、これまでお話ししてきたように、正しく問題点に対処できれば、十分に売ることは可能です。
そのためにはあなた自身の努力も必要ですが、それ以上に問題点をわかりやすく指摘してくれて、改善に導いてくれる不動産会社や担当者選びはもっと大事です。
売却活動はあなたがするものではなく、「不動産担当者がするもの」だからです。
私は実際にマンション売却を経験していますが、優秀な担当者さえ見つけることができれば、すべて丸投げ状態で売却が完了してしまいます。
売主の努力の方向性としては、「知識をつける努力」も大事ですが、何より「優秀な担当者を見つける努力」の方が大事なのです。
逆に、優秀な担当者を見つけることができなければ、なかなか売れないのは当たり前です。
担当者がサボっていたり、囲い込みなどのズルをしていたら、どんなに良い物件でも売れませんよね。
私が過去に不動産営業をしていたとき、「他社ではまったく売れない・・・」と駆け込んできたお客様がいましたが、私がそのお客様を担当した瞬間に売れたという経験があります。
正直な話、営業担当者の力量によって、あなたの不動産は「宝石」にもなれば「石ころ」にもなり得るのです。
もし、今の不動産会社や担当者に違和感を感じているのであれば、思い切って不動産会社を変えることも検討してみてください。
上手くいっていないことを繰り返していても、悪い状況は決して変わりません。
これ以上、売れない状況で辛い思いをするのはやめて、問題を改善するための行動をとってみてください。
ちなみに、不動産会社を吟味する際は、複数の担当者の意見を聞くために一括査定サイトを使うことをオススメしています。
私(編集長)も、売却前は必ず一括査定サイトを使って、査定額と担当者を徹底的に比較しています。
また、当編集部では、日本にある一括査定サイトを全て検証し、「本当に使うべき不動産一括査定サイト」を比較しています。
この記事を参考にしてもらえれば、査定サイト選びに失敗することはないです。
営業マンにも得意な分野があるので、話を聞く際に「築年数が経っているマンションの販売経験」を聞いてみてください。
これ以上築年数が経過しないうちに、良いパートナーを探して、早期の売却を目指しましょう!