相続や贈与で不動産を取得した際、「建物の情報が登録されていない=表題登記がされていない」ということがあります。
そのような不動産を「未登記建物」と言いますが、「登記されていない状態でも売れるの?」と心配になりますよね。
結論お伝えすると、「未登記建物でも売却は可能」ですが、登記がされていないままだと、売ることはほぼ不可能。
未登記の不動産は、リスクが高く、下手をすれば裁判に発展するようなトラブルが起こるため、誰も買いたがらないからです。
だからこそ、売却の際は不動産会社選びが重要です。
優秀な不動産会社を選べれば、未登記建件のような難しい不動産でも問題なく売ってくれるからです。
この記事では、
- 未登記建物が売れにくい理由
- 未登記建物を安全に売るための方法
- 売却を失敗しないための「不動産会社や担当者」の探し方
についてお伝えしていきます。
売却前に一通り内容を確認して、正しい対策を実践してください。
未登記建物は売却できるのか?
建物が未登記の状態でも、売却は可能です。
しかし、「99.9%」買い手は見つからず、見つかったとしても安く買い叩かれます。
理由は、未登記建物の取引には「買主」にとって大きななデメリットがあるからです。
具体的には、以下の2つ。
- 所有権を第三者に主張できない
- 住宅ローンが利用できない
所有権を第三者に主張できない
未登記の状態だと、所有している事実を第三者に主張できません。
登記は「第三者に対して所有権を対抗する」ために行われる手続きです。
つまり、「未登記=所有者が誰なのか証明できない」という危険な状態です。
もし、あなたが売却予定の未登記建物に対し、第三者が先に登記をすると、その人が所有者になります。
上記のような事案は、売主であるあなたにも起こる可能性があり、買主にも同様に起こり得ます。
買主からすると、売買したあとに「売主(=あなた)が自分名義で登記してしまうのでは?」という心配事も出てきます。
要は、未登記建物は登記されていない以上「購入しても自分のものにならない」リスクがあるのです。
実際に、未登記建物はトラブルが起きやすいです。
中には、裁判にまで発展することもあります。
正直、誰だって自分のものだと証明できない不動産に、高額な支払いはしたくありません。
なので、未登記建物は売れにくいのです。
住宅ローンが利用できない
未登記建物が売れにくいとされるもうひとつのデメリットは「住宅ローンが利用できない」からです。
融資対象に登記がされていなければ、銀行は抵当権を設定できません。
※抵当権とは、返済が滞ったときに、担保である不動産の差し押さえができる権利。
抵当権の設定ができないと、融資の承諾が下りないので、その結果、住宅ローンを利用できないのです。
多くの買主は、住宅ローンを利用して不動産を購入します。
なので、住宅ローンが使えないということは、買主を探すうえで、かなり不利な状況と言えるのです。
そのため、未登記建物の売却にはどうしても時間がかかってしまいます。
上記で、2つのデメリットについて説明しましたが、未登記建物には「リスクやトラブル」がつきものです。
なので、正しく対処しないと売却することはほぼ不可能。
正しい対処方法については、次章で解説していきます。
未登記建物を安全に売る2つの方法
ここからは、未登記建物を安全に売却するための2つの方法をお伝えします。
- 売る前に登記する
- 建物を解体する
【1】売る前に登記する
未登記建物を安全かつスムーズに売却する方法は「売る前に登記する」です。
未登記の状態が改善されると、一般的な不動産として売却できます。
ちなみに、未登記の建物に対して登記するためには「2つ」の手続きが必要です。
- 表題登記
- 所有権保存登記
上記は個人でも申請手続きができます。
しかし、慣れていなければ絶対にオススメしません。
その理由と具体的な依頼先について説明していきます。
【1】表題登記
表題登記とは「土地や建物」についての情報を新たに登録するための登記です。
登記簿の「表題部」に記録され、登録される内容には、
- 不動産の所在(土地&建物)
- 面積(土地&建物)
- 地目(土地のみ)
- 種類(建物のみ)
- 構造(建物のみ)
などがあります。
以下は、登記簿謄本「表題部」のサンプル画像です。
画像引用元:登記情報提供サービスホームページ
表題部を見ると、どんな不動産なのかがわかります。
ちなみに、表題登記の申請手続きは「土地家屋調査士」が行います。
【2】所有権保存登記
所有権保存登記とは、「土地や建物」の所有者を登録するための登記です。
登記簿の「権利部」に記録され、登録される内容には、
- 所有者の情報(名前・住所)
- いつ、どのような方法(売買・相続)で取得したか
などがあります。
以下は、登記簿謄本「権利部」のサンプル画像です。
画像引用元:登記情報提供サービスホームページ
権利部では、該当する不動産の「歴代の所有者」と「権利が移った理由」がわかります。
権利部の申請手続きは「司法書士」が行います。
ちなみに、所有権保存登記をするためには、表題登記を終わらせておく必要があります。
売り出す前に上記2つの登記手続きを完了できれば、スムーズな売却が可能です。
ただし、それぞれの手続きは「専門的な知識」や「申請書類」がたくさん必要なので、素人がやると確実に時間がかかります。
なので、「土地家屋調査士」や「司法書士」に依頼することをオススメします。
ちなみに、専門家に依頼すると費用が発生しますが、費用を負担したくなければ、買主にやってもらうことも可能です。
その場合は、売却前に不動産会社の担当者に相談しておくことをオススメします。
【2】建物を解体する
未登記建物の状態が悪くて使えないときは、「建物を解体する」のもありです。
解体すると土地だけの状態になるので、未登記建物のリスクがゼロになります。
気をつけたいポイントは、解体後に「建物がなくなった」という事実を証明する手続きが必要なこと。
この手続きをしなければ、建物の「固定資産税や都市計画税」が引き続き課税されてしまいます。
登記された建物であれば、解体後に「滅失登記」をすることになります。
しかし、未登記建物の場合は、そもそも登記されていない状態なので「滅失登記」ができません。
なので、各行政区に「家屋滅失届(家屋取壊届)」を提出するようにしてください。
未登記建物の場合、築年数が古いことが多いので、解体するのが最も現実的な方法かもしれません。
ちなみに、建物を解体費用の目安は、「30坪」の家ならば「150万円~200万円」くらいです。
未登記建物の売却は複雑!優秀な不動産会社に相談した方が早い!
未登記建物の売却は、専門的な知識が必要とされ、手続きも複雑です。
登記の手続きは個人でもできますが、正直かなり面倒くさい作業のオンパレードなので心が折れます。
私も仕事で何度か手続きしたことがありますが、毎回しっかり心を折られていました。笑
なので、未登記建物を売却するのであれば、プロである不動産会社を頼るのが正解です。
不動産会社の担当者に話を聞けば、下記のようなことが相談でき、的確なアドバイスをもらえます。
- おおよその売却金額
- 建物を登記して売るか、解体して売るか
- 土地家屋調査士や司法書士の紹介(登記が必要な場合)
最初に不動産会社から相談することで、売却の方針がはっきりするのです。
なので、「土地家屋調査士や司法書士を探したけど、建物を壊すことになったから必要なかった・・・」みたいな失敗がありません。
また、どの不動産会社にも、提携している「土地家屋調査士」や「司法書士」がいます。
手続きが必要になればすぐに紹介してもらえますし、普通に頼むより費用が安く済むこともあります。
優秀な不動産会社を見つけられると、「効率的」かつ「失敗するリスクを最小限」に売却ができるのです。
一括査定サイトを使えば、一度で複数社に売却の依頼ができ、経験豊富な担当者を見つけやすいからです。
経験豊富な担当者であれば、未登記建物の売却での必要な手続きがわかっているので、先手先手で動いてくれます。
基本的に、あなたは何もする必要がありません。
「優秀な不動産会社に任せること」は、安心でスムーズな売却のための必須条件です、
なので、不動産会社選びでは一切妥協せず行いたいところです。
ちなみに、当編集部では、日本にある一括査定サイトを全て検証し、「本当に使うべき不動産一括査定サイト」を比較していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【まとめ】未登記建物は正しい方法で安全に売却!
未登記建物の売却は、手続きが複雑なので、難易度がかなり高いです。
実際に、不動産営業として活動していた私でさえ、未登記のまま売買が成立したのを見たことがないほど。
それくらい、未登記であることはリスクが高く、不動産市場では人気がないんです。
しかし、そんな未登記建物の売却も、正しく対策できれば確実に売れます。
正しい対策とは、正しい「専門知識」と「経験」です。
この2つがない「不動産の素人」では、売却は難しいどころか、取り返しのつかないトラブルになることもあります。
だからこそ、その道の専門家であるプロに任せるべきなのです。
よって、未登記建物を効率的かつ安全に売却したければ、不動産会社選びにこだわることが超重要。
優秀で仕事のできる不動産会社や担当者を選ぶためには、できるだけ多くの会社から話を聞くのがポイントです。
もし、「どこの不動産会社に依頼したらいいかわからない」と思っているなら、『一括査定サイト』を利用してみてください。
本文中でも紹介したように、一括査定サイトを使えば一度で複数社に相談できるので、未登記建物の売却に詳しい業者を見つけやすいです。
実際に私(編集長)も、売却前は一括査定サイトを利用し、疑問点や不安などを相談&解消してから、売却活動をスタートさせています。
まずは、以下の記事を確認して、あなたに最適な一括査定サイトを選んでみてください。
この記事を参考にしてもらえれば、一括査定サイト選びに失敗することはありません。
未登記建物を安全かつスムーズに売却してくれる会社や担当者を早く見つけて、高値での売却を目指しましょう!