不動産の中には、「私道(国ではなく個人が所有する道路)」だけに接している物件があります。
公道とは異なり制約が多く、利用を巡って近隣住民とトラブルになることもあるので、ちゃんと売れるか心配ですよね。
結論をお伝えすると、「私道のみに接している不動産も売却は可能」です。
しかし、抑えないといけない3つのポイントがあります。
- 現状を調査&把握する
- 「通行&掘削」の承諾書を取り付ける
- 私道の持ち分がなければ購入する
この3つを正しく理解して対策できれば、安全&スピーディに売却できます。
逆に、間違った解釈のもとに行動してしまうと、損害賠償が発生するほどのミスに繋がることもあるので注意が必要です。
そこで、この記事では「私道の売却で抑えるべきポイント」に加えて、「失敗しないために取るべき方法」についても詳しく紹介していきます。
私道のみに接する不動産は売却できるのか?
私道に接する不動産でも「売却は可能」ですが、公道に接する不動産よりも売れにくいです。
私道だと、公道よりも「法的な制約を受けること」や「トラブルに巻き込まれること」があるからです。
私道が絡む不動産はリスクが高いので、買主から敬遠されがちなのです。
例えば、「私道」には以下のような問題があります。
- 道路の「管理やメンテナンス」は所有者が実施(費用負担が発生)
- 権利関係で近隣住民とトラブルになりやすい
- 道を使うだけで「お金がかかる」ことがある
- 道路の種類によっては再建築が不可能
上記は、「公道」であれば一切問題にならないことばかりです。
私が営業マンだったころ「過去に私道で隣人と揉めた経験があり、そのような物件は絶対に紹介しないでください!」とリクエストされた買主さんがいました。
その人は、相続した実家を売却する際に、道路(私道)のことで隣人と揉めに揉めて、大変な思いをしたそうです。
上記のように、「私道=トラブルが多い=検討から除外」と考えている買主さんは一定数います。
確かに、私道だからこそ起こるトラブルがあるのは事実です。
そのため、私道に接する不動産を売却するときは、事前にしっかりと準備をしておく必要があります。
その内容については、次章で詳しく説明していきます。
私道のみに接する不動産の売却に必要な3つのポイント
ここからは、私道のみに接する不動産の売却に必要な3つのポイントを紹介します。
- 現状を調査&把握する
- 「通行&掘削」の承諾書を取り付ける
- 私道の持ち分がなければ購入する
【1】現状を調査&把握する
まずやるべきことは、「接道する私道を調査して現状を把握する」です。
最初に状況を把握する理由は、状況によって対策が異なるからです。
的外れな対策を行っては、売れるものも売れません。
具体的には、下記2項目の確認が必要です。
- 私道の権利関係
- 私道の種類
私道の権利関係は、法務局で「謄本や公図」を取得することでわかります。
私道の種類は、市区町村役場にある「都市計画課」で調べられます。
「私道の調査&現状把握」に関しては素人でもできますが、できればプロである不動産会社に任せたいところです。
私道の把握には専門的な知識が必要で、もし間違って理解すると大きなトラブルを引き起こす可能性があります。
実際に、公益財団法人不動産流通推進センターのホームページでも、「私道」については頻繁に検索されているほど。
不動産業者でも問い合わせするくらいなのに、一般消費者が私道の調査をするなんて、正直「無謀」としか言えません。
しかし、不動産会社に任せておけば「法務局や役所」での調査にも慣れているので、間違いを未然に防ぐことが可能です。
さらに、調査の結果を基にした「売却戦略」も同時に立ててくれるので、売却活動をいち早くスタートできます。
物件の調査は、私道に接する不動産の売却の肝になる部分なので、専門家である不動産会社に任せるのが正解です。
【2】「通行&掘削」の承諾書を取り付ける
売却にあたり「通行&掘削」の承諾書が手元になければ、必ず事前に取り付けましょう。
承諾書がないのは買主さんにとって相当なリスクなので、売却がさらに難しくなります。
具体的には、「道路が使えない」や「水道管などのメンテナンスができない」といった、生活に支障をきたすリスクがあります。
また、私道は勝手に「通行や掘削」ができません。
「徒歩はOKだけど、車はNG」などの独自ルールがあったりもします。
そのため、道路を利用・変更する場合には「承諾書」が必須なのです。
ちなみに、承諾書に関しては、以下のような注意点があります。
- 私道の所有者「全員」から取得
- トラブル防止のため「書面」にて取得
- 書面内に文言がある場合に限って継承可能
もし、上記を満たしていないときは、改めて取得しないと売却は難しくなります。
まずは、あなたが物件を購入したときの「契約書類一式」を確認してみてください。
たいていは、その中に入っています。
見つからなければ、売却前の取得が大前提です。
承諾書の取得についても、「書面の作成」や「近隣へのアポイント」など大変なことばかりです。
なので、この作業についても、不動産会社の担当者に相談するのが吉です。
【3】私道の持ち分がなければ購入する
万が一、私道にあなたの持ち分がなければ「取得(購入)」も視野に入れてください。
「私道に持ち分がない=接道していない状態」は、売却が一層難しくなるからです。
接道していない土地は、売買するのにかなり不利な状況です。
- 再建築ができない
- 売却価格が著しく下がる
- 買主が住宅ローンを使えない
など、売主・買主双方にいいことがありません。
なので、未接道の土地は不動産市場で全く人気がないんです。
しかし、私道の一部を購入できれば、問題は一気に解決します。
土地が「接道している」or「接道していない」では、売りやすさが「天と地」ほどに変わるのです。
私道に持ち分がない人は、費用はかかりますが一部を取得することで、高く売れる可能性が出てきます。
かかった費用を回収できる可能性も十分にあるので、選択肢に入れておくべきです。
「接道していない土地」については、別の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
私道のみに接する不動産の売却は複雑!優秀な不動産会社に相談した方が早い!
私道が絡む不動産売買には「専門知識と経験」が必要なので、独断で動くのはオススメできません。
ここまで紹介してきた内容は代表的な例で、実際には「エリアや条例(法律)」によって、必要になる手続きが物件ごとに変わってきます。
なので、不動産の取引に慣れていない人が売買すると大きなトラブルにつながります。
「運転したことない人が高速道路を走るくらい」に危険なんです。
安全かつスピード感をもって売却するためには「私道の売買に慣れている専門家(不動産会社)に任せる」の一択です。
優秀な不動産会社や担当者であれば、「物件の調査や各種手続き」や「測量士や司法書士の紹介」など、私道の売却に必要な事項を全て取りまとめてくれます。
特に、私道に関しては「重要事項説明」に記載義務があるため、業者も徹底的に調べてくれるので安心です。
つまり、信頼できる不動産会社さえ見つけられれば、あとは何もせず状況を見守っておくだけで売ってくれるのです。
不動産会社を探すのに打ってつけの方法が、「一括査定サイト」を利用すること。
一括査定サイトを使えば、一度で複数社に売却の依頼ができ、経験豊富な担当者を見つけやすいです。
もちろん、私道が絡む不動産売却の経験が多い担当者を見つけることも可能です。
「優秀な不動産会社に任せること」は、安心でスムーズな売却のために必須の条件です。
そのため、不動産会社選びは、とことん時間をかけてこだわってほしいです。
ちなみに、当編集部では、日本にある一括査定サイトを全て検証し、「本当に使うべき不動産一括査定サイト」を比較していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【まとめ】私道のみに接する不動産の売却は優秀な担当者に任せよう!
私道に接している不動産は、ちゃんとした調査をもとに売却しないと、大きなトラブルに繋がります。
私道は、不動産担当者が公的機関に問い合わせして確認するくらい、取り扱いが難しいものです。
しかし、そんな私道に接する不動産も、ちゃんとした「調査と対策」ができれば確実に売れます。
そのためには、間違いなくその道のプロの協力が必要です。
一般消費者が、業者でも難しいとされる私道を調査して対策を立てることは、ほぼ不可能だからです。
ですから、私道が絡む不動産を売るには「不動産会社(プロ)選び」が超重要なんです。
もし、「どうやって優秀な担当者を探せばいいかわからない」と思っているなら、『一括査定サイト』を利用してみてください。
本文中でも紹介したように、一括査定サイトを使えば一度で複数社に相談できるので、私道が絡む不動産の売却に詳しい業者を見つけやすいです。
実際に私(編集長)も、売却前は一括査定サイトを利用し、疑問点や不安などを相談&解消してから、売却活動をスタートさせています。
また、以下の記事では日本にある一括査定サイトを全て検証し、「本当に使うべき不動産一括査定サイト」を比較しています。
ぜひ、あなたに最適な一括査定サイトを選んでみてください。
この記事を参考にしてもらえれば、査定サイト選びに失敗することはないです。
私道が絡む不動産を安全かつスムーズに売却してくれる会社や担当者を早く見つけて、高値での売却を目指しましょう!