聞き手
西向きマンションの売却で苦戦していませんか?
実際、日本人の多くは「西向きの部屋は良くない」と思っている傾向が強く、最も売却が難しい「北向き」の部屋に次いで不利だと言われています。
方位は変えることができませんから、「もう売るの無理かな・・・」と諦めてしまう気持ちはわかります。
でも、安心してください。
元不動産営業マンの立場からお伝えすると、西向きのマンションを早期に売ることは十分に可能です!
確かに、西向きはデメリットであることに違いないですが、そのデメリットへうまく対策できるからです。
もし売却がスムーズにいっていないのなら、それは「不動産会社の選択を間違っている」か、もしくは「西向きマンションの良くないところを上手にカバーできていない」可能性があります。
この記事では、元不動産営業としての経験から「西向きマンションが避けられる理由」と「売るための対策法」についてわかりやすく解説していきます。
あなたのマンションを「高く」&「早く」売り切るために、この記事で基本的な知識を身につけてくださいね!
マンション(部屋)が西向きだと売れない(売れにくい)のはなぜ?
西向きのマンションが売れない理由はいくつかあります。
- 西日を嫌がる人が多い
- 床や家具が日焼けする
- 午前中は部屋が暗い
総じて、売れにくい原因は日当たりに関する内容ばかりです。
一つひとつ解説していきます。
【1】西日を嫌がる人が多い
西向きのマンションが売れにくいのは、西日を嫌がる人が多いからです。
日本には、現在でも「西日 = 暑い = 良くない」という考え方を持っている人が意外といます。
しかし、実際は西日の温度が他の時間に比べて高いというデータはありません。
西日が暑いと言われる「本当の原因」は、以下の通りです。
- 建物に1日中日光が当たる
- 日光で建物の「外壁」が熱を持つ(ピークは午後2時)
- 行き場を失くした外壁の熱が室内に放射される
- 「室内温度の上昇ピーク」が西日が射す時間と重なる
つまり、夕方に室内が暑くなる原因は「西日のせい」ではなく「外壁に蓄積された熱エネルギーの放出」によるものなのです。
室内の気温が上昇するタイミングで、西日が入ってくるため「西日が暑さの原因だ」と今でも考えられています。
ほとんどは上記のような考えにより、西向きの部屋が敬遠されているのです。
【2】床や家具が日焼けする
西向きの部屋は、床や家具が日焼けしやすくなります。
理由は、部屋の奥まで直射日光が入ってきやすいからです。
方位により多少誤差はあるものの、西向きの部屋に日光が当たり始めるのは「正午過ぎ」。
その時間は、まだ太陽も高い位置にあるため、室内に直射日光が当たる場所はかなり限定的です。
しかしながら、太陽が傾き始めると、それに伴って日光は部屋の奥にまで入ってきます。
西向きの部屋は、太陽が沈むまでの間、ずっと直射日光が当たり続けるのです。
太陽が室内の「広範囲」に「長時間」当たり続ければ、その分「床」や「家具」が日焼けしてしまいます。
【3】午前中は部屋が暗い
西向きのマンションは、午前中にリビングが暗いのも売れにくい原因の一つです。
「【2】床や家具が日焼けする」でもお伝えしましたが、リビングに日が入り始めるのは午後以降。
逆に、午前中は全く日が当たらないため、電気をつけないといけないレベルです。
以前、私の後輩が西向きの部屋を「午前10時頃」に案内した際、「あまりの暗さにお客様がビックリしていましたよ」と言っていたことがありました。
ライフスタイルや価値観によって、午前中暗くても問題ないと思っている人もいます。
しかし、元営業マンとしての経験からお話しすると、そのような意見は少数派と言えます。
マンション(部屋)が西向きでも売却できる4つの対策
ここからは、西向きマンションをスムーズに売却するために必要な4つの対策をお伝えします。
- まずは「基本的な対策」を取る
- メリットを伝える
- 西日を室内に入れない
- 案内時間を限定する
全て大切なので、注意深く読み進めてみてください。
【対策1】まずは「基本的な対策」を取る
まずはあなたのマンションが、基本的な対策のもとに販売されているか確認してみましょう。
確かに、マンションが西向きであることが、売れない要因の一つになっている可能性はあります。
しかし、かつてあなたが購入したように、「方位」を気にせず購入してくれる人は必ずいるのです。
そのため「西向き」であること以外での売れない理由も十分に考えられます。
例を挙げると、
- 不動産会社(担当者)が無能
- 「老朽化」が進んでいる
- ランニングコストが高い
- 立地が悪い
- 価格が適正じゃない
- ライバル物件が多い
- 部屋が汚い
など問題はさまざまです。
特に「売却を依頼する不動産会社や担当者の仕事ぶりを見直す」ことはかなり重要。
不動産を高く早期に売却できるかどうかは「不動産会社や担当者しだい」だからです。
特に西向きマンションの場合は、下記のような営業マン自身の「スキル」や「経験」が大事になってきます。
- 西向きに対する考え方
- 洗練された払拭トーク
- 案内での場数
経験があり、能力も高く、仕事のできる担当者であれば、すべて丸投げの状態でもちゃんと売ってくれます。
仮に売れない場合も、的確なアドバイスや問題解決の提案をしてくれ、最後までしっかり売り切ってくれるのです。
もし、あなたの今の担当者が信頼の置けない人なら、不動産会社を変えたらすぐに売れるかもしれません。
マンション売却の成否は「売却を依頼する不動産会社や担当者がすべて」といっても過言ではないのです。
以下の記事では、不動産会社が売れない理由になっていることの詳細や、その他の基本的な対策についてまとめているので、一度チェックしておくことをオススメします。
【対策2】メリットを伝える
西向きマンションにもメリットは存在するので、ちゃんと買主さんに伝えるようにしましょう。
買主さんの心に響くメリットは以下の3つ。
- 夕日・夕焼けがきれいに見える
- 冬場は暖かい
- 朝日が入らない
順に解説していきます。
【1】夕日・夕焼けがきれいに見える
西向きマンションの最大のメリットは、夕日・夕焼けが見られること。
美しく沈んでいく夕日をキレイに見られるのは「西向きの部屋以外にはない」です。
私は、以前タワーマンション上層階にある、西向きの部屋の売却したことがあります。
当時、売主さんから「ぜひ夕日を見てほしい」と言われ、太陽が沈むころを見計らい訪問しました。
ご自宅のリビングから見えた夕日が、あまりにも美しすぎて感動したのを今でもはっきりと覚えています。
そのときに収めた写真をホームページにアップしたところ、即座に反響があり、2組目の案内で申込を取得できました。
窓一面に大きく映る夕焼けは、それだけで買主さんの心を動かします。
もしあなたのマンションから、キレイに夕焼けが見られる場合は、写真をホームページにアップしてもらうのもオススメです。
ちなみに所有マンションが西向きに加え「高層階」や「タワーマンション」の場合、下の記事も参考になるかもしれません。
【2】冬場は暖かい
西向きマンションは、冬場暖かいのもメリットです。
冒頭の「西日を嫌がる人が多い」でも説明しましたが、西向きの部屋が暖かい理由は以下の2点。
- 外壁からの熱の影響を受けやすい
- 日没まで部屋の中に日光が入りやすい
夏場ではデメリットになる一方で、冬の時期だと確実にメリットになります。
あなたのマンションも「東向き」や「北向き」に比べると、暖房機器にかかる光熱費代が抑えられていませんか?
買主さんに「『エアコン』や『ファンヒーター』をあまり使わないので経済的です」とそれとなくアピールしてみましょう。
【3】朝日が入らない
ターゲットは絞られますが、朝日が入らないのも西向きマンションのメリットに挙げられます。
夜勤やシフト制の仕事をしている人の場合、「午前中に暗い部屋」の方を好むからです。
以前担当した買主さんの話になりますが、その人の職業は「長距離トラックの運転手」でした。
帰宅する時間がバラバラで、朝方に寝ることもあるということで、西向きマンションをご紹介。
すごく気に入られて、申込までいただきました。
もしあなたのマンションが、以下のような場合は、朝方に寝るような職業の人をターゲットにするのもいい選択ですよ。
- リビング・ダイニングのすぐ隣に個室がある
- 開口部が西を向いている
【対策3】西日を室内に入れない
購入検討者の多くは「西日は良くない」と思っているため、部屋に西日を入れない工夫も大切です。
オススメの対策は2点。
- すだれ・グリーンカーテンを利用
- 窓に遮熱フィルムを貼る
すぐにできるので試してくださいね。
【1】すだれ・グリーンカーテンを利用
最も簡単にできる対策は「すだれやグリーンカーテンを利用すること」です。
ホームセンターに行けば、両方とも手ごろな価格で購入できます。
「すだれ」や「グリーンカーテン」は、直射日光を防ぐことが可能ですし、もしあなたのマンションが低層階であれば、目隠し効果としても最適ですよ。
低価格ですぐにできる対策なのでオススメです。
「西向き」&「低層階」のマンションを売却中の人は、下の記事もチェックしてください。
【2】窓に遮熱フィルムを貼る
個人的にオススメなのが、窓に「遮熱フィルム」を貼る対策です。
遮熱フィルムとは、日射熱の量を抑えてくれる膜のことをいいます。
遮熱フィルムは「紫外線」や「UV」をカットしてくれる効果もあるため、床や家具の日焼けを防止することも可能。
参考までに「遮熱フィルム」を製作している会社の説明資料を添付しておきます。
引用元:株式会社三洋
遮熱フィルムは、光そのものは取り込めるため、明るさを確保できるのがポイントです。
有害な「紫外線」などはカットされるため、外の景色は普通に楽しめます。
ご自身でも貼れますが、個人的にはリフォーム業者などに頼むのがオススメです。
仕上がりが断然違ってきます。(※取り付ける窓の種類によって、シートが貼れない場合もあるため、事前に相談が必要です)
【対策4】案内時間を限定する
西向きマンションは、できるだけ「午後」に案内してもらうようお願いしましょう。
少しでも部屋が明るい状態の中で見学してもらった方が、買主さんの印象は良くなるからです。
営業の経験から言うと、西向きマンションは午後に案内を入れる方が、成約率はアップします。
多くのお客様は「日当たりは良くて当たり前」だと無意識に思っている傾向が強いです。
逆に言うと、暗い部屋を見てしまった時の購入マインドの低下は著しいです。
もし現在、営業担当者に言われるまま、案内を受け付けている場合は注意が必要。
- 部屋が少しでも明るく見える時間帯
- 夕日を見せられる時間帯
午後の明るい時間帯に案内してもらうよう、担当者にお願いしておきましょう。
ちょっとした心がけですが、簡単かつ高い効果を期待できる対策です。
【まとめ】マンション(部屋)が西向きでも正しく対策すれば売れる!
今回は、西向きマンションが「売りにくい理由」と「売るための対策」について紹介しました。
【売りにくい理由】
- 西日を嫌がる人が多い
- 床や家具が日焼けする
- 午前中は部屋が暗い
【売るための対策】
- まずは「基本的な対策」を取る
- メリットを伝える
- 西日を室内に入れない
- 案内時間を限定する
西向きのマンションは、避けている人が多いことに間違いはありません。
一方で、西向きの部屋でしか叶わないメリットもあるので、そこまで売却に悲観的になる必要はないです。
西向きマンションをスムーズに売るためには「デメリットをいかに上手く払拭できるか」がカギになります。
そのため、「不動産会社」や「担当者」選びはものすごく重要です。
西向きの部屋の販売に慣れた担当者を見つけられれば、今まで申込みがなかったのが嘘かのように、あっさりと商談をまとめてくれます。
ぶっちゃけた話をすると、不動産は担当する営業の力量によって「宝石」にもなれば「石ころ」にもなるんです。
もし、今の不動産会社や担当者に違和感を感じているのであれば、思い切って不動産会社を変えることも検討してみてください。
上手くいっていないことを繰り返していても、悪い状況は決して変わりません。
これ以上、売れない状況で辛い思いをするのはやめて、問題を改善するための行動をとってみてください。
ちなみに、不動産会社を吟味する際は、複数の担当者の意見を聞くために一括査定サイトを使うことをオススメしています。
私(編集長)も、売却前は必ず一括査定サイトを使って、査定額と担当者を徹底的に比較しています。
また、当編集部では、日本にある一括査定サイトを全て検証し、「本当に使うべき不動産一括査定サイト」を比較しています。
この記事を参考にしてもらえれば、査定サイト選びに失敗することはないです。
営業マンにも得意な分野があるので、話を聞く際に「西向きマンションの売却が得意かどうか」も聞いてみてください。
信頼できる会社や担当者を早く見つけて、「高値&早期」の売却を目指しましょう!